【第十三話】タンザナイト

Lien’s Jewelry Story 13

「Don’t think,Just feel」考えないで、感じて。
初めて宝石に触れる方に、よく伝える言葉です。
理屈や理論ではなく、心をまっさらにして、
自分に飛び込んできてくれる宝石とのかけがえのない出逢いを信じて。
それは宝石だけではなく、自分を信じることなのです。
宝石の輝きと同じく、自分もオーラ全開!で輝いてほしいのです。
人の笑顔と同じく、宝石にも喜びに満ちた笑顔を見せてくれる時があります。
大切な貴方と出逢えたその瞬間に、宝石から呼びかけてくる。
「高みを目指す貴方を心から応援し続けるょ。煌めいている貴方が大好きだから。」

悩みや煩わしさをはらう希望の輝き

タンザナイト

タンザナイト

今から約50年前、
ブルーサファイアとして見つかったゾイサイトという鉱物が、
青から赤紫、そして群青色に変色することから
タンザナイトというロマンチックなネーミングをされて一躍人気を呼び、
世界へとその名前が広がるようになりました。

空の色の移ろいの姿を象徴しているかのような多色性が
限りなく宇宙と繋がる神秘性を秘めている。

タンザナイトが地球上に形成されたのは5億年以上前。
けれど宝石として発見されたのは50年ほど前なのです。

人類の発祥地アフリカ。
その最高峰キリマンジャロのメレラ二鉱山でしか産出されないのも、
ゆっくりと時を過ごしていた古代の人々に比べ、
慌ただしく感情に振り回されて自分を失いやすい現代人の救世主として、
人が人らしく真っ直ぐ今を生きるために
勇敢な騎士タンザナイトが20世紀の地球に現れたのではと思えてしまう。

ひとたび、タンザナイトを手の上にのせると、
まるで自分を取り巻く一切の悩みや煩わしさが一掃されていくかのように
無意識に心と身体が一体化し、
不安やネガティブな考えが消えていく。
意識が高まることで、あらゆることがささやかな悩みと思え、
自分を高めようという意識が自然に目覚めるのだと言う。
判断力や精神力が高まり、
人生の節目に正しい選択が自ずとできるようになるのです。

タンザニアの夕暮れから夜の帳(とばり)へ。
赤紫から深く美しい青へ。
その品格ある多色性は、本当は夜から夜明けを待つ、
自分自身への答えが見つかる
希望と光に満ちた神秘で高貴な魔力を持っています。